先日、無事 vSphere 6.5 がリリースされました。

Client Integration Plugin の廃止

HTML5 で実装された vSphere Client が新しく追加になりましたが、Adobe Flash/Flex で実装された従来通りの vSphere Web Client も改善が進んでいます。Live Update といった便利機能から、地道なパフォーマンス改善まで、様々な改善がなされています。その改善の一つに Client Integraion Plugin (CIP、クライアント統合プラグイン) の廃止というものがあります。

CIP の廃止と OVF/OVA のアップロード

CIP が廃止になったため、これまで CIP を経由していた OVF/OVA ファイルのアップロードは、ブラウザのアップロード機能を使うようになりました。Web アプリケーションの開発などに携わった経験のある方には不穏な響きがあるのではないかと思いますが、その通りです。

IE11 は 4GB – 1 バイトまでのファイルしかアップロードすることができません。

つまり、4GB を超える OVF/OVA ファイルは IE11 を使ってアップロードすることができません。IE11 を使って 4GB を超える OVF/OVA ファイルをデプロイしようとすると、以下のようなエラーが表示されます。

  • OVF パッケージのデプロイに失敗しました。/ 転送に失敗しました。

OVF/OVA ファイルが 4GB を超えるファイルであっても、サーバー側にファイルをアップロードする時に Content-Length を 4GB - 1 としてしまうので、vCenter Server 側でも対応することが出来ません。このエラーは IE11 がファイルを途中でアップロードするのを止めてしまい、vCenter Server 側で Read Timeout を引いてしまうケースとなります。想定していない動きなので、チェックサム エラーやその他のエラーなどがでるかもしれません。

では、どう対応すれば良いのでしょうか。

対策

IE11 の代わりに Firefox や Chrome を使う

あるいは

OvfTool を使う

が対応となります。

環境によっては、Firefox や Chrome など 3rd Party、OSS をインストールできないルールがあるかもしれません。そこは、お手数になってしまうのですが、Adobe Flash や Client Integration Plugin のインストールを許可されたのと同じ手続きを Firefox/Chrome/OvfTool でお願いするほかありません。

それほどの環境で頑なに IE11 を使うというのも如何なモノかとも思うところではあります。

小ネタ

  • OVF をデプロイする場合は、シフトキー/コントロールキーを使い 必要なファイルを複数選択しなければなりません。
  • vCenter Server の証明書をブラウザで信頼できていないと OVF/OVA はデプロイできませぬ。
  • 拡張認証プラグイン (Enhanced Authentication Plugin) は、SSPI 認証や二要素認証のためのプラグインです。
  • OVF ファイルは コンテンツ ライブラリ サーバーを経由して ESXi へ NFC プロトコルで転送されます。このため、クライアント-vCenter Serverのネットワークだけでなく、vCenter Server-ESXi のネットワークにも帯域が縛られます。クライアント-vCenter Server を 10GbE で繋いでも、大抵の環境は vCenter Server-ESXi は 1GbE なので、OVF/OVA の転送は 1Gbps に縛られることがほとんどです。