昨晩 VMware の Software Defined DataCenter (SDDC) 系ソフトウェアのアップデートのアナウンスがありました。

その中でも Virtual SAN 6.2 が最もアツイので少々紹介を。

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Virtual SAN 6.2

第 4 世代となる Virtual SAN 6.2 ですが、4 世代目なのに 6.x とはこれ如何に…という感がありますが

  1. vSphere 5.5u1 : Virtual SAN 5.5
  2. vSphere 6.0ga : Virtual SAN 6.0
  3. vSphere 6.0u1 : Virtual SAN 6.1
  4. vSphere 6.0u2 : Virtual SAN 6.2

ということなので、確かに 4 世代目になります。ここでようやく

  • 重複排除、圧縮
  • Erasure Coding (ネットワーク越しの RAID-5, RAID-6)
  • Quality of Service (QoS)

が実装され、新興系の会社の Software Defined Storage (SDS) が当たり前に持っていた機能が Virtual SAN にも揃いました。今後は、Usability や Serviceability や Robustness のより一層の充実が期待されるところです。なお、Virtual SAN はエディションが複数あるので要注意です。

  • Standard: 基本機能
  • Advanced: Standard + All Flash 構成 + 重複排除 (All Flash のみ) + 圧縮 (All Flash のみ) + Erasure Coding (All Flash のみ)
  • Enterprise: Advanced + Stretched Cluster + QoS

Virtual SAN – Compare

重複排除、圧縮、Erasure Coding が軒並み All Flash 構成のみ対象ですが、機能の組み合わせと性能を考えたときに All Flash 限定とするのも やむなしかと思います。[13 TB の 2.5 inch SSD が登場している] くらいなので、PB 級などの よほどキャパシティを必要するシステム以外は All Flash 構成に近い将来 収斂されていくのではないかと思います。単純な購入価格も差が無くなっていくのでしょうが、期待できる IOPS 性能と 3年間、5年間の電力コストを考えると、All Flash 構成でも十分 Hybrid 構成 (SSD+HDD) を超えるコスト効果が出せることが期待できます。

とはいえ SSD もまだ高いので、そう気軽に判断するのは難しいところ。しかしながら高火力の IOPS が必要な場合は All Flash 一択でしょう。

最近の Hyperconverged

ざっと見渡すと日本で購入できる Hyperconverged はこの辺でしょうか。

  • vSphere Kernel 埋め込みの VMware Virtual SAN
  • 複数の Hypervisor に対応した Nutanix
  • Windows 2016 Storage Spaces Direct で Hyperconverged Storage に足を踏み入れる Microsoft
  • Lefthand の資産を旨く活用し、従来の iSCSI ストレージ機器と近しい使い勝手を提供している HP StorVirtual

海外だと Springpath や Simplivity が入ってくるかと。

今後、SAS/SATA SSD の次の世代のフラッシュとなる 3D Xpoint/NVMe Flash、TCP/IP の先となる RDMA/RoCE などデバイスが着実に低遅延化していくことが予想されます。そのなかで、Hypervisor のカーネルに機能を埋め込のでソフトウェア スタックを極小化した Virtual SAN が最もデバイスの進化に追随しやすいと思うところです。

参考情報

Virtual SAN 6.2 で追加された機能の一覧の情報は Duncan Epping の Blog が詳細にリストしています。