Virtual SAN 6.2
昨晩 VMware の Software Defined DataCenter (SDDC) 系ソフトウェアのアップデートのアナウンスがありました。
- VMware Introduces Next-Generation Hyper-Converged Software Enabling Simple, High Performance Infrastructure for the Software-Defined Data Center
- VMware Accelerates the Shift to Digitization and Hybrid Cloud With the Introduction of vRealize Suite 7
その中でも Virtual SAN 6.2 が最もアツイので少々紹介を。
Official Page
Blog
- Introducing The 4th Generation VMware Virtual SAN
- Introducing VMware Hyper-Converged Software (2/11 00:00 現在、まだ掲載されていない模様)
Virtual SAN 6.2
第 4 世代となる Virtual SAN 6.2 ですが、4 世代目なのに 6.x とはこれ如何に…という感がありますが
- vSphere 5.5u1 : Virtual SAN 5.5
- vSphere 6.0ga : Virtual SAN 6.0
- vSphere 6.0u1 : Virtual SAN 6.1
- vSphere 6.0u2 : Virtual SAN 6.2
ということなので、確かに 4 世代目になります。ここでようやく
- 重複排除、圧縮
- Erasure Coding (ネットワーク越しの RAID-5, RAID-6)
- Quality of Service (QoS)
が実装され、新興系の会社の Software Defined Storage (SDS) が当たり前に持っていた機能が Virtual SAN にも揃いました。今後は、Usability や Serviceability や Robustness のより一層の充実が期待されるところです。なお、Virtual SAN はエディションが複数あるので要注意です。
- Standard: 基本機能
- Advanced: Standard + All Flash 構成 + 重複排除 (All Flash のみ) + 圧縮 (All Flash のみ) + Erasure Coding (All Flash のみ)
- Enterprise: Advanced + Stretched Cluster + QoS
重複排除、圧縮、Erasure Coding が軒並み All Flash 構成のみ対象ですが、機能の組み合わせと性能を考えたときに All Flash 限定とするのも やむなしかと思います。[13 TB の 2.5 inch SSD が登場している] くらいなので、PB 級などの よほどキャパシティを必要するシステム以外は All Flash 構成に近い将来 収斂されていくのではないかと思います。単純な購入価格も差が無くなっていくのでしょうが、期待できる IOPS 性能と 3年間、5年間の電力コストを考えると、All Flash 構成でも十分 Hybrid 構成 (SSD+HDD) を超えるコスト効果が出せることが期待できます。
とはいえ SSD もまだ高いので、そう気軽に判断するのは難しいところ。しかしながら高火力の IOPS が必要な場合は All Flash 一択でしょう。
最近の Hyperconverged
ざっと見渡すと日本で購入できる Hyperconverged はこの辺でしょうか。
- vSphere Kernel 埋め込みの VMware Virtual SAN
- 複数の Hypervisor に対応した Nutanix
- Windows 2016 Storage Spaces Direct で Hyperconverged Storage に足を踏み入れる Microsoft
- Lefthand の資産を旨く活用し、従来の iSCSI ストレージ機器と近しい使い勝手を提供している HP StorVirtual
海外だと Springpath や Simplivity が入ってくるかと。
今後、SAS/SATA SSD の次の世代のフラッシュとなる 3D Xpoint/NVMe Flash、TCP/IP の先となる RDMA/RoCE などデバイスが着実に低遅延化していくことが予想されます。そのなかで、Hypervisor のカーネルに機能を埋め込のでソフトウェア スタックを極小化した Virtual SAN が最もデバイスの進化に追随しやすいと思うところです。
参考情報
Virtual SAN 6.2 で追加された機能の一覧の情報は Duncan Epping の Blog が詳細にリストしています。