vCenter Orchestrator (2) – Installation Type
Windows 版 vCenter Server をインストールすると、自動的にインストールされている vCenter Orchestrator (近いうちにリブランディングされて vRealize Orchestrator) ですが、インストールにも 3 通りの方法があります。その 3 通りとは、以下になります。
- vCenter Orchestrator 仮想アプライアンスをデプロイ
- Windows 版 vCenter Server と同時にインストール
- vCenter Server とは異なる Windows Server にインストール
それぞれ概要を見ていきましょう。
vCenter Orchestrator 仮想アプライアンスをデプロイ
vCenter Orchestrator 仮想アプライアンスの OVA/OVF ファイルをデプロイします。OVA/OVF デプロイ時にホスト名や IP アドレスなど、必要な情報一式を入力すれば、すぐに利用出来るのがメリットです。最もお手軽で、使い勝手の良い個人的には最もお勧めのインストール方法です。
仮想アプライアンスの中身は、以下の通りです。
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vCenter Orchestrator
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SuSE Enterprise Linux Server (SLES)
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vFabric vPostgres (PostgreSQL とほぼ同等)
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OpenLDAP
データベースは、仮想アプライアンス付属の vPostgres を利用することも出来ますし、外部の vCenter Orchestrator がサポートするデータベースを利用することが出来ます。別エントリーで整理したいと思いますが、vCenter Orchestrator を高可用性構成や負荷分散構成とする場合には、必ず外部のデータベースを利用する必要があります。
認証に OpenLDAP や eDirectory なども利用できますが、通常は vCenter Server と同じ SSO Server を利用するのがよいでしょう。
Windows 版 vCenter Server と同時にインストール
Windows 版の vCenter Server をインストールした場合、バック グラウンドで vCenter Orchestrator がサイレント インストールされます。vCenter Orchestrator のサービスは起動されていないので、通常はディスクの肥やしにしかなっていなかと思います。しかし、データベースは vCenter Server と同じデータベースを利用する設定が済んでおり、認証も SSO Server を利用する設定が済んでいるため、vCenter Orchestrator サービスを起動すれば直ぐに利用できます。
VMware のインフラ構築に携わる方が、お試しする際にはちょうど良いかと思います。本番環境でも利用できますが、vCenter Server と同一のサーバーで動作することになりますので、vCenter Server の安定性の確保と、リソースの負荷分散の観点から、vCenter Orchestrator は別のサーバー、あるいは、仮想アプライアンスで動作させることをお勧めします。
vCenter Server とは異なる Windows Server にインストール
vCenter Server の ISO イメージの中には、上記でサイレントインストールする際に実行される インストール バイナリが含まれています。このインストール バイナリを用いて vCenter Orchestrator を任意の Windows Server にインストールすることができます。
利用するデータベース や認証先はインストール後に設定します。他の方法に比べると手間がかかりますが、どうしても Windows Server に統一したい場合は、このインストール方法もよいかもしれません。
次回以降のエントリーでは、各インストール方法を見ていきます。