VMware の数ある製品の中でおそらく 3 番目に顧客先でインストールされているであろう製品に vCenter Orchestrator があります。

?と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、vSphere 5.1 の頃から vSphere Web Client に表示されるアレです。

私見ですが、インストールベースの順位はおそらくこんな感じかと思います。

  1. vSphere ESX/ESXi
  2. vCenter Server
  3. vCenter Orchestrator (使われていない)

Windows 版の vCenter Server をインストールすると自動的にインストールされるので、この順位で間違いないんではないかと確信しています。が、いかんせん日本ではあまり利用されていないので 数百 MB のディスクの肥やしになっています。

vCenter Orchestrator 自体はごく一般的なワークフローツールですが、プラグイン アーキテクチャとエコシステムにより、実はかなりパワフルな能力を持っています。F5 BIG-IP の設定を行えたり、EMC ViPR の設定を行えたり、もちろん vCenter に対しても様々なことが行えます。3rd Party および VMware によるプラグインの一覧は Solution Exchange で確認し ダウンロードすることもできます。

最近では、VMware の Blog でも紹介されています。

vCenter Server のライセンスを持っていれば vCenter Orchestrator も利用できるので、手軽に使えるのであれば利用しない手はありません。vCenter Orchestrator を利用するときは、従来は vCenter Orchestrator Client という Java アプリケーションしかなく少々敷居が高いモノでした。しかし、vCenter Server 5.1 からは、vSphere Web Client の UI から vCenter Orchestrator のワークフローを、仮想マシンなどのエンティティの「右クリック」から簡単に呼び出すことができます。もちろん、デフォルトで用意されているワークフローだけでなく、自身で作成したワークフローも呼び出すことが出来ます。

これは非常に強力でカスタマイズしがいのある機能です。

例えば、仮想マシンの全ての Snapshot を削除してみたり

例えば、vSphere Web Client から無くなってしまった (何故に Orz) 仮想マシンの一括シャットダウンをしてみたり

例えば、仮想マシンの IP アドレスを F5 BIG-IP Local Traffic Manager (ロードバランサー) のプールに追加してみたり

追加された Pool Member を vCenter Orchestrator Client で確認してみたり

といったように可能性は無限大です。RESTful/SOAP を叩けるだけでなく、いざとなれば他のノードの PowerShell や SSH を叩けるので、最悪出来ないことはほぼありません。主な出来ないこととして、ファイルアップロード/ダウンロードの UI が提供されていないことがあります。しかし、NFS/CIFS を介してファイルの授受を行えばある程度は回避できます。

さらに、最近は [vCenter Orchestrator Plug-In for Amazon Web Services] といった少々暴投気味の Plug-In を VMware からも出していたりと目の離せない製品です。

しばらく vCenter Orchestrator をテーマにエントリを続けてみます。