はじめに

VMware Cloud on AWS は、AWS のデータセンターで動作しますが、販売、運用、サポートは VMware から提供されます。

VMware から販売

VMware Cloud on AWS は、AWS からではなく VMware から販売されます。AWS のマネージメント コンソールから利用するサービスではなく、VMware Cloud on AWS 専用のポータル サイトから利用するサービスになります。

現時点 (2018/07/04 現在) は、SPP/HPP といったポイント プログラムを購入し、これを VMware Cloud on AWS の契約に利用します。今現在は、手続きがすんなりとはいかないため VMware の営業担当者に連絡するのが良いでしょう。1 Node SDDC であれば、今現在においてもクレジットカードで利用することが可能です。

VMware が運用

VMware Cloud on AWS の SDDC のインフラストラクチャ ソフトウェア (vCenter/ESXi/vSAN/NSX) は VMware によって運用されます。VMware のソフトウェアのアップデート適用やパッチ適用は、ユーザーではなく VMware が行います。また、故障したサーバーの退避と代替となるサーバーの復旧といった VMware のソフトウェアより下のレイヤーについても VMware によって運用がなされます。もちろん、i3.metal インスタンスや VPC ネットワークなどの AWS コンポーネントの API よりも下のレイヤーについては、VMware の裏で通常の AWS サービスと同様に AWS により運用されます。

アップデート適用やパッチ適用については、塩漬けにしたい、ロールバックしたい、など様々な要望を伺います。が、ここはクラウドなので Move Forward Only ということで強制的に前進あるのみです。

VMware がサポート

VMware Cloud on AWS を利用する場合、ユーザーから見ると VMware がサポートの窓口となります。SDDC のインフラストラクチャ ソフトウェア (vCenter/ESXi/vSAN/NSX) だけでなく、その下の AWS EC2 ベアメタル インスタンスおよび SDDC が実行される VPC に関することも VMware が窓口となりサポートされます。実際には SDDC が動作する ベアメタル インスタンスや VPC に関する問題をユーザーが直接見つけて問い合わせることはなく、それらの問題が SDDC に波及して SDDC に関する問題として VMware に問い合わせることになるでしょう。

とはいえ、VMware に問い合わせるべきなのか、AWS に問い合わせるのか悩ましいケースも出てきます。DirectConnect や VMware Cloud ENI (Elastic Network Interface) で接続された VPC が絡んだ問題の場合です。この場合、オンプレミスのストレージで起きる問題に似たマルチベンダーの対応となりますので、状況に応じて原因に近いと推察される方のベンダー側に問い合わせるのがよいかと思われます。

この VMware Cloud on AWS で、新しい試みになるのがチャット サポートでしょう。VMware Cloud on AWS の管理コンソール UI の右下や、VMware Cloud on AWS 上の vCenter Server の HTML5 Client の画面の右下に、チャット機能が備わっています。このチャット機能を使って、簡単な問い合わせであれば迅速に回答がなされることもあります。直ぐには解決しない場合、通常通りサポート リクエストが発行され、メールベースでサポートを引き続き受けることができます。